今日中にインレー湖行きの夜行バスに乗るため、一度ヤンゴンをバスで目指します。

バスは12時頃に昼飯休憩20分をパテインで挟み、その後はヤンゴンに向けてひらすら走り続けました。そして、ヤンゴンのダウンタウンに到着したのは17時を過ぎたくらいでした。
バスを降りると、バスの運転手にすぐにタクシーを拾ってもらい、インレー湖行きの長距離バスが出ているアウミングラバスステーションへと向かいました。

しかし、いきなりアクシデント発生…!!!
俺はタクシーの運ちゃんに「インレーレイク行きのバスが出るバス停まで行ってくれ。」と頼んだのですが、タクシーの運ちゃんはインレーレイクをインヤーレイクと聞き間違ったらしく、ヤンゴン市内にあるインヤーレイクホテルというホテルに連れて行かれてしまいました。何回もバスステーションって言ったのに…。

よくよく聞いたら、タクシーを捕まえてくれたバスの運転手もそう聞き間違えていて、タクシーの運ちゃんにそう告げたのが事の発端のようでしたが。。。
最初から「アウミングラバスステーション」と言うべきでした。。。
あまりよく調べていなかったので、覚えられていなかったのです。。。><

結局、アウミングラバスステーションに着いたのは18時30分頃になってからでした。

タクシーを拾った時に、3,000チャット(=300円)で行ってくれるとのことでしたが、運ちゃんとは結構仲良くなったし、途中道間違って遠回りしたし、奥さんと2人の子供がいると言っていたので、感謝の気持ちを込めて5,000チャット(=500円)を渡すことにしました。

すると、「ここは遠すぎだ。6,000チャット(=600円)だ。」とのこと。。。
一気に感謝の気持ちがなくなってしまいました。。。
「アウミングラ」と言うべきだったとは思うけど、何回も「インレー湖行きのバス停」って言ったし、それに対して「OK!OK!」って言ったわけだし。。。
ってか、俺の財布の中には、もう3,000チャット(=300円)しか残ってないし。。。

タクシーを降りようとすると、一人の男がビルマ語で何か言いながら近付いてきました。
どうやら、「どこへ行くんだ?」と言っているようでした。
僕の代わりに運ちゃんが「インレー湖だ。」と答えると、その男はまたビルマ語で何か言いながら首を横に振り出しました。何か嫌な予感がします。。。

運ちゃんとその男の会話が終わり、運ちゃんに話を聞くと、今日のインレー湖行きのバスはすでに満席とのことでした。。。

「マジかぁ…。」と思うも意外に切替えは早く、インレー湖は諦め、インレー湖の後に行く予定だったバガンに最初に行くことにしました。
バガンはインレー湖と同じく、ヤンゴンの北にある町で、距離的にはさほど変わりません。北東(インレー湖)に行くか、北西(バガン)に行くかの違いです。

ところが、バガン行きのバスを出しているバス会社のオフィスに行くと、今度は「バガン行きのバスは18時がラストで、もう出ちゃって今日はないよ。次は明日の朝だね。」とのこと。

オーマイガッ!!!こうなると選択肢はなくなってしまいます。。。
せっかくここまで来たのに、ヤンゴンから出られないなんて。。。

「でも、待てよ?インレー湖行きのバス会社のオフィスには直接確認していない。もしかしたら、一席くらいキャンセルが出て空いているかもしれない!」と思い。インレー湖行きのバスを運行させているバス会社のオフィスに行ってみることにしました。

ミャンマー人はかなり信用度の高い民族ですが、皆が皆ではないし、何しろ、特に旅は、自分の足と目と耳と口とで物事を確認する必要があります。
しかも、かなりの割合で「自分で確認して良かった。」と思うことが多いのです。
もしダメでもその方が納得できますしね。

そして、インレー湖行きのバスを運行させているバス会社のオフィスに着き、「今日の夜行バスでインレー湖に行きたいんだけど。」と告げると、、、
「今日はもう満席だよ。そして、明日はフルムーン(満月)のため祝日でバスは運行しないから、29日まで待つしかないね。」と言われてしまいました。。。
あ、やっぱり無理でした。。。笑 もう完全に絶望的です。。。

さすがに、29日までは待てません。。。
バガン行きなら祝日でも運行しているとのことだったので、再びバガン行きのバス会社のオフィスまで戻り、明日の朝8時半発17時半バガン着のバスを予約することにしました。
ミャンマーチャットをほとんど持っていなかった僕は、レートが悪いのを覚悟で、米ドルで払わせてもらいました(20$=1,600円)。ちなみに、チャットなら1,500でした。

すると、ある西洋人の女の人が慌ててオフィスに飛び込んできました。
かなり急いでいる様子だったので、順番を先に譲り、話を後ろから聞いていると、18時ヤンゴン発のバガン行きのバスを予約していたが、道が混んでいて、今到着したとのことでした。

バスがすでに出発してしまったことを知った彼女は一瞬愕然としていましたが、明日のバスの運行スケジュールを教えてあげると、「Thank you very much!」と言い、僕と同じ明朝のバスのチケットを2枚購入して行きました。
僕よりかわいそうな人もいたものです。彼女はチケットを無駄にしてしまったのですから…。

しかし、他人を心配している場合ではありません。次は宿を探さなくてはならないのです。
ここからダウンタウンまではかなりの距離があるため、MAHABANDOOLAにまたお世話になることもできません。
何よりタクシー代もないし、明日は朝早いので、この辺の安宿に泊まった方がベターです。

すると、先程のタクシーの運ちゃんが「バスステーション内にあるゲストハウスがあるから、そこに泊まるといい。」と教えてくれ、そこまでタダで乗せて行ってくれました。
ところが、早速行ってみるも、そこは外人不可と断られてしまいました。。。

タクシーの運ちゃんはここまでずっとついて来てくれたのです。
ミャンマー人は、怠惰なようにも思えますが、適当に物事を終わらせません。タクシーを拾ってくれたバスの運転手もそうですが、次のステップの入口まで面倒を見てくれます。

ただ、さすがにこれ以上タクシーの運ちゃんも付き合ってはくれませんでした。笑
最後、タクシーの運ちゃんは「寒くても大丈夫なら、バス会社のオフィスに泊まらせてもらいなよ。」と言い、去って行きました。

もう選択肢もないし、バスステーション内を歩き回り続けて疲れてしまった僕は、タクシーの運ちゃんに言われた通り、バス会社のオフィスで夜を徹することにしました。
その方がタクシー代も宿代も浮くし、寝坊する心配もありません。

そして、バス会社のオフィスに三度戻って、頼んでみると、、、
「宿泊不可!」とのこと。。。
もはや、どうすることもできなくなってしまいました。。。
歩き回った挙句、行く先々で断られ、気力も体力もほとんどありません。

途方に暮れ、バスステーション内を再度歩き出すと、また違うミャンマー人が「どうした?」と声を掛けてきました。

俺「インレー湖に今夜行きたかったんだけど、バスは満席で、今日はヤンゴンに泊まるしかなくなっちゃんだよ。で、今は今夜泊まる宿を探しているんだ。」
男「よし、俺について来い。」
俺「いや、もう満席なの分かったし、明日の朝バガンに行くチケット買っちゃったからもういいよ。」
男「OK!ついて来い。」
俺「いや、だから、満席なんだってば。」
男「ついて来い。」

と一点張り。多分、英語が通じてないのです。。。

あまりにも強気に来るので、ついていくことにしました。
しかし、着いた先は、先ほど断られたオフィス。。。
1ミリでも淡い期待を抱いた自分を虚しく思いました。。。笑

すると、また違うミャンマー人が現れました。今度は、宿を教えてくれると言っています。
先ほど外人不可と断られた宿のことを言っているのだろうか、と思い、「あそこの宿は外人不可らしく、もう断られたから。」と言っても、コイツもまた聞く耳を持ちません。
何回も説明しているのに「来い。」しか言いません。

そして、着いた先は案の定、先ほどの宿。。。
そして、案の定、外人不可と断られる。。。
だから、言っただろ。。。

ミャンマー人はめっちゃ親切なんですが、人の言うことを聞かずに助けたがる節があります。
相手の置かれている状況も理解せずに、助けられるワケがないのに。。。
有難迷惑ってヤツです。。。

親切心から来るものだから、本当は嬉しいのですが、分からないくせに分かったといい、案の定同じ過ちを繰り返されると、さすがにイライラしてしまいます。

宿の情報も手に入れられないし、お金もないし、本当にどうしようもなくなった僕は、もう一度バス会社のオフィスへ行き、もう一度泊まらせてくれないかお願いすることにしました。
しかし、やはりダメなものはダメでした。。。

万策尽きた僕はバス会社のオフィスにある椅子に腰を下ろし、しばらく動けないでいました。


それでは、今日の一曲です。お聴き下さい。

~ユニコーン『大迷惑』~