今日は僕が感じたことを書きたいと思います。

ブータンを有名にした大きなきっかけの1つに、前国王が提唱した国民総幸福量(GNH:Gross National Happiness)という概念が挙げられると思います。
これは、ブータンでは、しばしばその国の豊かさを測る指標となる国民総生産(GNP:Gross National Product)よりも国民の幸福の方を大切にしたいという前国王の思いより生まれた概念です。

実際、僕も前国王の提唱したこの概念によりブータンの存在をより知ることになり、同時に興味を持つことになりました。
そして、3年前、ブータンやこのGNHに関わる本を何冊かまとめて購入し、読み通し、僕の人生観に大きな影響を与えてくれました。

2006年にイギリスのレスター大学の社会心理学者エイドリアン・ホワイト氏がユネスコやWHOなど各種国際機関のデータを分析して発表したGNHランキングでは、

1位:デンマーク
2位:スイス
3位:オーストラリア
4位:アイスランド
5位:バハマ
※ブータンは8位

という結果が出ています。

当時GDP2位の日本は調査対象国178ヶ国中90位と先進国で最下位の結果だったそうです。
ちなみに、GDP1位のアメリカは23位、3位の中国は82位です。
まさに国の豊かさ(GNP)と人々の幸福感が比例しないことを物語った結果となったわけです。

この結果が絶対的に正しいとは思いませんが、「国の豊かさと人々の幸福感は比例しない」ということに関しては、僕もまさにそう思います。

今まで色々な国を旅していて、明らかに貧乏と呼べる人たちを何人も見てきました。
しかし、その人たちが必ずしも全員不幸かというと、そんなことは全くなく、むしろ、生きていて幸せと思えている人の方が遥かに多いように思われました。

だから、僕も国の政策として、GNPよりもGNHを重んじるのには大変賛成です。
でも、同時に幸せってなんだろうと疑問にも思います。
幸せは見えないものだし、個人個人の心理状態によって日々変化しやすいものであり、定義も人それぞれによってバラバラだと思います。
人によって、幸せを感じるときが違うように。

だからこそ、僕は"GNH"ではなく、"GNS"を提唱したいと考えます。

「Gross National "Smile"」です!

「Gross National "Sex"」じゃないよ!笑
ある意味日本には必要かも知れませんが、、、笑

国民総笑顔量です!!

幸せは目には見えません。
しかし、笑顔は見に見えます。
しかも、笑顔でいるときというのは、たとえ本人が無意識だったとしても、幸せを感じているとだと思います。

そして、さらに、笑顔は伝染します。
笑顔は人の心を幸せにします。
笑顔の周りには笑顔があるのです。
笑顔は笑顔を産みます。

つまり、笑顔は自然増殖が可能なのです。
笑顔が増殖するということは、幸せが増殖するということとニヤリーイコールです。

ということで、ピロト・ワンチュク国王は国民総笑顔量の概念を今ここに提唱致します!




写真:ちょっとお茶目なピロト・ワンチュク国王