ブータンとは違う世界がそこにはありました。

たった1つのゲートを潜っただけなのにもかかわらず、そこは別世界。。。
まるで突然夢から覚めてしまったようです。
あまりにも違う世界に、ブータンに滞在していたという感覚はもはやありません。

でも、僕にはそれでいい気がしました。

ブータンは、僕にとって、ずぅーっと憧れていた国でした。
実際、ブータンにいた前半は見る景色全てに興奮し、嬉しさのあまり自然に笑みがこぼれていました。

ところが、後半になるにつれ、慣れてきてしまったせいか、ただティンプーが以外に騒がしかったせいなのか、その興奮や感動は次第に薄れていってしまっていました。

夢が現実になり、欲しいものを手に入れてしまった感が出てしまったのかも知れません。
最後の観光となったタクツァン僧院ではその壮厳さにもちろん感動しましたが、もしブータン滞在の序盤に訪れていたら、もしかしたら涙を流すくらい感動していたかもしれません。

人は当たり前の物には感動もしないし、感謝もしません。
だから、しばしば「感謝すること」の反対は「当たり前と思うこと」と表現されます。

親だから食事を作るのは当然、男なんだから奢るのは当たり前、女なんだから家事をするのは当たり前、などと本来相手に感謝すべきことを当たり前のことと思っていると、「ありがとう」の一言も言えません。

僕は毎日「今日もブータンにいることができる。」と強く意識して、その特別さ、幸運さに感謝してきましたが、それでも後半はその思いが弱くなってきてしまっていました。
あんなに憧れていた国だったのに。。。

しかし、"ブータンからインドへ"という移動が、"現実"を再び"夢"に戻してくれました。
"夢"は"夢"のままでいいのです。

ブータンにはまた戻ってきたいので、その時までまた夢を見ていたいと思います。


それでは、今日の一曲です。お聴き下さい。
ユメは夢のままでいいよ
とどかないくらいがちょうどいい

~天方直美『ユメ』~